最近社会保険の扶養の件で、よくこんな質問を受けます。
「年間130万円の壁っていつからいつまでの収入で判定するんですか?去年は130万以上あったけど、今から12月末までですと、130万を下回ります。」
まず、130万については、今後1年の収入で判定します。暦年(1月1日~12月31日)ではありません。
また、過去の収入ではありません。過去の収入ですと、新卒の社員は対象外になってしまいます。基本給等から判断して、今後年間所得が130万円を上回るから新卒社員も4月から社会保険に加入します。
あと、時々(130万/12ヶ月)円を上回る所得があったりなかったりといった場合ですが、とある月で判断するのではなく、常態として超えるかどうかで判断します。
また、パートの方は次の2つの要件を満たし、2か月以内の期間を定めて雇用される者以外に該当するときは、社会保険に強制加入となっています。
- 1日または1週間の労働時間が正社員の概ね3/4以上であること。
- 1ヶ月の労働日数が正社員の概ね3/4以上であること。
そこで考えられるケースは次の通りです。
ケース | 年間収入 | 日または週、および月の労働時間 | 医療保険制度 | 年金制度 |
1 | 130万円未満 | 正社員の3/4未満 | 被扶養者 | 国民年金第2号被保険者 |
2 | 130万円未満 | 正社員の3/4以上 | 被扶養者 | 国民年金第2号被保険者 |
3 | 130万円以上 | 正社員の3/4未満 | 国民健康保険 | 国民年金第1号被保険者 |
4 | 130万円以上 | 正社員の3/4以上 | 健康保険 | 厚生年金保険 |
派遣契約などの場合にしばしばあることですが、最初の2か月間は試用期間として、その後本契約のような形ですと、最初2か月は上記ケース3に該当して、国保に入ることになります。
以上ですが、結局協会けんぽ(または健保組合)の判断を最終的に仰ぎますので、事前に確認してみるのが無難です。
司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。少しでも相続人様の疑問や不安を解消すべく、複数資格を活かして相続人様に寄り添う相続を心がけている