会社設立して不動産業を始めるには、まず、「宅地建物取引業免許」を受けなければなりません。
宅地建物取引業免許には各都道府県の知事免許と国土交通大臣の免許があります。どちらの免許でも、日本全国での業務が可能です。
全ての営業所が、一つの都道府県内であれば、その都道府県知事の免許を受ければ全国どこでも営業できます。
ですから、営業所が2つ以上の都道府県になる場合には、国土交通大臣の免許が必要となるわけです。
それでは、不動産会社の営業に必要な「宅地建物取引業免許」の取得の手続きについ東京都の場合を例としてご説明させていただきます。
■免許申請の手続き
1.まず、申請書類の作成です。
申請書類は、都庁で購入できます。
また、東京都都市整備局のホームページ「申請様式」からもダウンロードできます。
法人での営業にするのか、個人営業でするのかによって多少の違いはありますが
18種類ほどの書類の準備が必要となります。
この中には、ご自身で記入するものと、会社設立後に法務局や役所から取り寄せるものとがあります。
2.書類ができたら免許申請します。
書類の準備ができましたら、都庁の不動産業課「免許係」へ持参し申請します。
この時、33,000円が必要になりますので、忘れずにお持ちください。
3.書類が受理されますと審査となります。
提出された書類に基づき審査し、その後、店舗の調査が行われます。
この審査に要する期間は、書類受付後、内容に問題がなければ、約30日~40日程かかります。
4.問題がなければ許可されます。
申請者宛に普通郵便ハガキで許可の通知が発送されます。
5.営業するには、営業保証金の供託又は保証協会への加入が必要です。
1,000万円の営業保証金を供託する場合は、供託後、4で受取った免許の通知ハガキを不動産業課免許係に持参すれば、免許証が交付されます。
しかしながら、一般的には、保証協会に加入することで、1,000万円の営業保証金の供託をせずに免許を取得しています。
保証協会に入会しますと、保証協会を通じて免許証が交付されます。
6.いよいよ営業開始となります。
免許証が交付されて、初めて営業がスタートできます。
以上が免許取得の基本的な流れですが、ここで大多数の方が加入する保証協会について簡単にご案内します。
保証協会は2つあり、どちらかの保証協会に入会しなければ営業を開始できません。
そして、どちらの協会に入会するのも自由となっております。
■2つの保証協会について
○ 公益社団法人 全日本不動産協会
「うさぎ」のマークの協会です。
窓口は、各都道府県に1つあります。
入会時の費用の合計は、1,486,800円となっています。
○ 公益社団法人 全日本不動産協会
「ハト」のマークの協会です。
東京都内に33支部があります。
入会時の費用の合計は、1,660,400円です。
入会費用は、全日本不動産協会に比べ高いのですが、こちらの協会に加盟する方の方が多いようです。
■ご自宅で開業する場合の注意点は
不動産業を始めるとき、ご自宅で開業される方も多いと思いますので、その場合の注意点をお伝えしましょう。
事務所と家族の生活部分とを完全に分けるということがポイントです。これは派遣業などと同じですね。守秘義務等もありますので、いわば当然と言えば当然です。
つまり、入り口であれば、自宅の玄関と事務所の入り口が別でなければなりません。会社設立時に本店を自宅にする場合は、設立後に営業できないといったことを避けるため、あらかじめ監督官庁に確認を取っておくことをオススメします。
司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。少しでも相続人様の疑問や不安を解消すべく、複数資格を活かして相続人様に寄り添う相続を心がけている