弊社では、税理士、司法書士と専門家がそろっていますので、会社設立も内部化しています。会社設立と顧問契約が内部的にワンストップで行っていますが、顧問契約と会社設立のセット割引はやっていません。一定期間の顧問契約を結ぶことを条件に設立費用を割り引いたり、実費分も肩代わりしたりするサービスです。

どうして弊社でこのサービスをやっていないかといいますと、一言「明朗会計」のためです。
こうしたサービスは家電量販店などでのインターネット回線のサービスでも見られますね。「パソコン購入と同時に回線契約をすればパソコン2万円引き」「2年間のネット回線契約をすればゲーム機が100円で買える」といった特典を提示したり、一定期間後にキャッシュバックを行ったりとさまざまな手法があります。もちろん数万円するゲーム機が100円で買えるわけではありません。ゲーム機が3万円だとすると差額の29,900円は通信の価格に転嫁されているのです。もちろん通信回線は契約者が多いので、一人に転嫁するのではなく、長期契約で十分元が取れている人も含めて、あまねく契約者に転嫁されています。自分の払う価格には、後日契約してゲームを100円で買った人の差額が転嫁されているのです。

回線の話が長くなってしまいましたが、つまり会社設立の費用が、株式会社だと現行で最低20万円程度はかかりますが、これを下回る価格で会社設立をするということは、そのクライアントさんや別のクライアントさんの月々の顧問料にその分を転嫁しなければなりません。クライアントA社さんの顧問料は、B社さん、C社さん、D社さん・・・・の設立費用の肩代わり分が転嫁されています。弊社の場合は、明朗会計で、このサービスの対価はこの金額ということを明示して、ご納得のいくサービスを行っていきたいと考えています。そのため会社設立の費用は会社設立の費用としてクライアント様から頂戴し、顧問契約とのセットはなしという形をとっています。税務顧問、人事労務顧問はその分の対価を明示させていただいております。

とはいえ、会社設立をする起業家にとっては、イニシャルコストを少しでも抑えたいという気持ちもわかります。
しかし、10万円肩代わりしてもらって10万円で会社設立をお願いするのと、25万円でお願いする差額は15万円です。税理士をはじめ専門家は会社設立後も長く付き合っていくことになりますので、この金額で事業のパートナーを決めてしまうのは少々早計です。また、会社設立後も様々なサービスを、その価格と内容を検討して利用するかどうか決めて、予算を配分していく場面は、経営において多々あります。もともと会社を設立するためには、最低でも税金等で25万円程度の開業予算を取っておくことは経営者の資質として重要なことです。最初からディスカウントありきで考えてしまうと、経営上でも、たとえばホームページ制作などの外注でも金額だけで判断してしまうようになってしまいます。

まとまりがなくなってしまいましたが、弊社では、明朗会計のもと各サービスに応じた対価でやっているので、顧問契約とのセットは行っていないのです。