現在、ホワイトカラーエグゼンプションの議論が進んでいます。従来の時間で給料を計算していたものから、やった仕事に応じた給与体系にする制度で、無駄な残業を減らして労働効率を上げようといった目的があります。私もこうした制度には賛成です。少子高齢化で労働者人口がだんだんと減っていく世の中ですから、一人当たりの効率を上げることは生産性の維持にとっても不可欠なことですし、一人当たりの労働時間の削減は、雇用の拡大にもつながります。
ただ、現在対象となるのが、年収1,075万円以上で、金融ディーラーやアナリスト、研究開発、コンサルタントといった専門職に限られているのはどうなのでしょうか。今後対象が増えていくのかもしれないですが、もともとこうしたプロフェッショナルな職種の方々が「無駄な」残業がどのくらいあるのか疑問ですし、上で書いたような目的を達成するのであれば、もっと一般的な職種にも適用範囲を広げていくべきだと思います。簡単な仕事を抱え込んで一人で残業しているような人も、こうした制度の対象になればワークシェアリングへの意識が芽生えて、雇用を生む一助になるかもしれません。生活残業などの問題も、年収がミドルでそれなりに会社歴が長い人間に多いので、そうした人たちの生産性向上にもなるのではないでしょうか。
対象職種が専門的だと、他者の代替がききにくいため、その人の労働時間が減るだけで、あまり波及効果がなさそうです。だらだらした残業を減らしたいなら、だらだらした残業をしている層をターゲットにすべきです。まあ、おそらく最初は収入が多少落ちても影響がないところから始めることで、労使の溝を徐々に埋めていくのだとは思います。
いずれにせよ我々のような自営業者や、会社設立して独立した方にとっては、残業代は関係ないのですが。。。
司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。少しでも相続人様の疑問や不安を解消すべく、複数資格を活かして相続人様に寄り添う相続を心がけている