一部の自治体で、住民税の特別徴収が平成27年の徴収分から強化されるようです。とはいえ、もともと地方税法でも給与所得者は原則特別徴収と定めているため、強化するといった話もへんな感じもするのですが。
個人の自宅に自治体が納付書をおくって、直接個人が納める形を普通徴収といい、サラリーマンの給料から天引きする形で会社が変わって納める形を特別徴収といいます。普通徴収だと、自治体にとって取りっぱぐれの率が高く、また滞納者への差押えの手続きも発生してしまうため、できれば給与天引きする特別徴収の方が安全といえます。
一方で会社から見れば、できれば普通徴収でやってほしいというのが本音でしょう。特別徴収する金額自体は自治体が計算してくれるのでそれほどの手間ではないですが、毎月(10人未満の会社なら半年に1度の納付も可能です。)納付の手間もあります。それに、従業員からしたら見かけ上の手取りが減ってしまうので、不平不満の原因になるかもしれません。しかし、従業員が住民税を滞納して、差押えを受けて仕事どころじゃないといったことにもなるかもしれません。(差押えなんて大げさな、と思うかもしれませんが、この財政難のご時勢なので、意外と件数は多いようです。)まあ、こじつけみたいですが、納税の義務の一端を担っていると思って協力しましょう。
例外として、例えば2人だけでやっている会社は特別徴収しなくても大丈夫なようです。2人で会社設立した場合などが該当します。また、シフトが不定期なアルバイトも対象外のようです。これは特別徴収は毎月の給料から天引きしますので、月によって給料が0円だったり、天引き額より少なかったりする場合を想定しています。
ただ、天引きされる側としては、納めなくてはならない金額を強制的に天引きで納めてくれるのですっきりするといえばすっきりするのではないでしょうか。天引きはイヤという方は、心のどこかで納めなくてもよいと思っているためでしょうか。
毎週決められた場所にごみを置いておけば回収してくれたり、公園を整備したりと、われわれは日常でいろいろ恩恵をあずかっています。普通徴収にせよ、特別徴収にせよ住民税はしっかり納めましょう。(別に自治体の回し者ではないですよ。)
司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。少しでも相続人様の疑問や不安を解消すべく、複数資格を活かして相続人様に寄り添う相続を心がけている