Last Updated on 2025年2月23日 by 渋田貴正
合同会社での資本金等の中身
合同会社では、資本金等といえば、資本金と資本剰余金をいいます。株式会社のように、資本準備金は存在しません。合同会社と株式会社の純資産の部を比較すると以下のようになります。
株式会社 | 合同会社 |
資本金 資本剰余金 資本準備金 その他資本剰余金 利益剰余金 利益準備金 その他利益剰余金 自己株式 |
資本金
資本剰余金 利益剰余金 |
このように、合同会社の純資産の部は、株式会社に比べて非常にシンプルな構造になっています。そのため、合同会社の純資産の部の会計処理は株式会社に比べて分かりやすく、設立・運営コストの面でもメリットがあるといえます。
合同会社は社員ごとに資本金等を管理しなければならない
合同会社では、資本金や資本剰余金、利益剰余金を社員ごとに管理する必要があります。
たとえば、合同会社では社員が出資や持分の払い戻しを請求した際、資本金や資本剰余金を減少できるのは「その社員の分」に限られます。合同会社では株式会社のように一括で資本金を増減するのではなく、個々の社員の出資額に応じた管理が必要です。
また利益剰余金については、合同会社が稼いできた利益の累積額となりますが、利益が確定した時点で、それは各社員に分配されたものになります。分配された利益の配当を請求するかどうかは各社員にゆだねられますが、少なくとも合同会社の利益剰余金は、各社員の取り分が寄せ集まってできているものです。配当請求して初めてその社員のものになるわけではなく、会社内に留保されていたとしても、その利益剰余金は各社員のものということになります。
株式会社であれば、株主総会の決議により配当を決定して初めて株主に配当が行われますが、合同会社では配当しなくても利益剰余金は各社員に帰属しているという点で大きく異なります。
このため、合同会社では「社員ごとにいくらの資本金、資本剰余金や利益剰余金が帰属しているのか」を常に管理しておく必要があります。特に、社員が持分を譲渡したり、新たな社員が加入したりする場合、この管理が正確に行われていないとトラブルの原因となります。
合同会社の持分とは?
そもそも合同会社の持分とはなにかということを考えてみましょう。株式会社であれば、出資した人は株主となり株式を取得します。合同会社の「持分」には2つの意味があります。
まず一つが、「社員である地位」です。「持分を譲渡する」といった場面で使われる「持分」はこちらの意味です。
もう一方が、財産的な意味です。「持分を払い戻す」という場面では、この意味で持分という言葉が使われます。上記のように資本金等を社員ごとに個別管理するのは、持分の数値的な面に着目したものです。
持分の意味合い | 説明 |
---|---|
社員としての地位 | 「持分を譲渡する」といった場面で使われる持分は、この「社員としての地位」を指します。合同会社では、持分を他の者に譲渡する場合、原則として他の社員の同意が必要です(会社法585条1項)。 |
財産的価値を持つ持分 | 「持分を払い戻す」といった場面で使われる持分は、社員の出資額に対応する財産的な権利を指します。社員が退社する際には、会社の財産から自身の持分に相当する金額を払い戻すことになります(会社法607条1項)。 |
合同会社の設立や運営について不安がある方は、専門家に相談することで、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。当事務所では、税理士と司法書士の複数資格を活かして合同会社の設立から資本管理、持分譲渡のサポートまで幅広く対応しておりますので、ぜひ一度ご相談ください!

司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。合わせて、複数の資格を活かして会社設立や税理士サービスなどで多方面からクライアント様に寄り添うサポートを行っている。