Last Updated on 2025年2月27日 by 渋田貴正
実印の代理登録
相続手続きにおいて、欠かせない書類が印鑑証明書です。金融機関での口座解約手続きや、遺産分割協議書には実印を押印することが必要です。そして、実印とセットで必要になってくるのが印鑑証明書です。
しかし、相続人の中には印鑑証明書を登録していない人もいるかもしれません。その場合は、印鑑証明書を登録してから相続手続きを進める必要があります。ただ、中にはご高齢の相続人で役所まで印鑑登録しに行くのが大変という人や、仕事が忙しくて役場が空いている時間に実印登録しに行くことができないといった人もいるかもしれません。
そこで、印鑑証明書を代理で登録する方法があります。どの自治体でも印鑑証明書を代理で登録することが可能です。ただし、本人が窓口で交付申請するときのように即日での交付はされないため、相続手続きを急いで進めたいといったケースでは注意が必要です。また、自治体によって細かい手続きが異なるため、事前に確認が必要です。
印鑑登録の代理申請の流れ
1)代理人による印鑑登録申請書を市区町村役場の窓口に、代理人が提出
2)役場から印鑑登録する本人の住所に照会書の送付
3)本人から代理人に照会書を渡す
4)実印を押印した照会書を市区町村役場の窓口に、代理人が提出して、印鑑登録完了
4)の印鑑登録が完了したら、その日に印鑑登録証(カード)が代理人に交付され、その場で印鑑証明書を取得することが可能となります。
照会書は郵送で送付されるため、代理人による印鑑登録には、役所からの発送日数にもよりますが、数日かかります。印鑑登録する本人は一度も役場に足を運ぶことなく印鑑登録が可能となります。
印鑑登録が完了し、マイナンバーカードを持っていれば、コンビニのマルチコピー機で印鑑証明書を取得することができます。ただし、すべての自治体が対応しているわけではないため、事前に自治体のホームページ等で確認しましょう。
印鑑を代理登録する場合には、以下の点に注意しましょう。
- 照会書の郵送には自治体によって異なりますが、通常数日かかるため、相続手続きの期限が迫っている場合は注意が必要です。
- 即日発行が可能な「本人による印鑑登録」と異なり、代理申請では即日発行されないため、余裕を持った手続きをおすすめします。
- 自治体によっては代理人になれる条件が異なるため、事前に確認しましょう(親族に限定される場合や、委任状が必要な場合があります)。
印鑑登録の代理人は誰でもなれる
代理人については、基本的には誰でもなることができます。多くは親族が印鑑登録の代理人になるケースが多いですが、それ以外の人で合っても代理人になることは可能です。ただし、印鑑登録を代理人が行う場合は、代理人が2回役場に足を運ぶことになります。そのため、役場に行くことが可能である代理人を選ぶ必要があります。
相続手続きは時間と手間がかかるものですが、印鑑登録を代理で行うことでスムーズに進めることができます。代理申請に関する細かい手続きは自治体によって異なるため、不安な方は専門家に相談するのがおすすめです。
当事務所では、相続手続きに関する印鑑登録のサポートや遺産分割協議書の作成などをお手伝いしております。お困りの際は、お気軽にご相談ください!

司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。合わせて、複数の資格を活かして会社設立や税理士サービスなどで多方面からクライアント様に寄り添うサポートを行っている。