Last Updated on 2024年12月31日 by 渋田貴正

第三者割当の株主割り当て機関

増資の際には、募集事項の決定と割当先の決定の2段階があります。その中で、割当先の決定については、非公開会社においては、取締役会の設置の有無によって決議機関が異なります。

取締役会があれば、株式の割当先の決定は取締役会の決議にて行います。一方で、取締役会がない株式会社では、株式の割当先の決定は株主総会の特別決議によります。(定款に別段の定めがある場合を除く。)

割当の決議までの順序

新株を発行するまでの流れは以下の通りです。

1)株主総会による募集事項の決定
2)株主の申し込み者への通知
3)株主の申し込み
4)申し込みがあった者への割当決議
5)払い込みの前日までに割当の通知
6)払い込み

4)の割当決議については、1)の募集事項の決定後に行ってから、割当者への通知を行うことも可能です。というより、非公開会社ではあらかじめ割当者や割り当てる株式数を決めてから、その者に申し込みをしてもらう流れがほとんどですので、4)は1)と2)の間に入ることが多いです。

いずれにしても、定款に別段の定めがない限り、割当先の決定については取締役会が行いますので、取締役会がある株式会社では、第三者割当増資にあたっては、株主総会の決議と取締役会の決議が必要になります。

募集事項の決定の取締役会への委任

1年間の期限がありますが、株主総会で、発行する株数の上限と払込金額の下限を決議して、あとは取締役会に募集事項の決定を委任することもできます。

この場合は、決議した株数や払込金額の範囲内であれば、取締役会の決議で何度でも新株を発行することができますので、増資の度に株主総会を開く必要はなくなります。1年間の間に何度か増資する可能性があるベンチャー企業などで活用できます。