Last Updated on 2024年12月31日 by 渋田貴正
組織変更と同時にできる登記
合同会社から株式会社に組織変更するときには、「組織変更計画」を作成します。そして、この組織変更計画に基づいて組織変更の登記を行います。
この組織変更のときに同時に行うことができる変更、言い換えれば組織変更にかかる登録免許税6万円の範囲内では以下のような変更を行うことができます。
1)商号の変更
組織変更は、合同会社から株式会社への変更を行うことです。つまり、組織変更をするからには商号は必ず変わるということです。
さらに、組織変更の際に、会社の種類の部分以外を変更することもできます。例えば「合同会社ABC」から「株式会社DEF」に変更することも可能ということです。
2)目的の変更
組織変更に合わせて目的を変更することもできます。組織変更を機に事業目的を追加したり、一部削除したりということが可能です。
3)役員の追加
組織変更前は業務執行社員 兼 代表社員の1名だけだった会社で、組織変更を機に新たに取締役に就任してもらうことが可能です。合同会社の場合は、社員になるのには出資を伴いますが、株式会社であれば、出資を受けずに取締役に就任してもらうことも可能です。
組織変更に伴って取締役や監査役に就任する場合には、就任者の印鑑証明書が必要です。
組織変更と同時にできない変更
組織変更と同時にできない変更として、主なものは以下の2点です。これらについては、組織変更とは別になりますので、登録免許税もそれぞれ別途かかります。
1)本店の移転
本店の移転については、組織変更の計画に盛り込むことができません。商号を変えて、本店まで変えてしまうと、組織変更の前後での法人格の同一性が示せなくなってしまいます。
組織変更を機に本店移転も行いたいという場合は、まず組織変更の登記を行ってから、本店移転の登記を申請することになります。
2)増資の登記
組織変更を機に、新たに外部から資本を調達して増資を行うということも、組織変更の枠内では行うことができません。組織変更については、合同会社の資本金をそのまま引き継ぐことになります。
組織変更の効力発生日に株主総会を行って、増資の決議をすることは可能ですが、それはあくまで組織変更とは別の手続きということになります。また、新たな払い込みに限らず資本剰余金を資本金に組み入れて増資することも、組織変更とは別に行う必要があります。
司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。少しでも相続人様の疑問や不安を解消すべく、複数資格を活かして相続人様に寄り添う相続を心がけている