Last Updated on 2024年12月31日 by 渋田貴正

事業年度の定め方

会社を設立する際には、定款に事業年度を定めることが一般的です。事業年度とは法人税法で定められている用語で、以下のように定義されています。

「法人の財産及び損益の計算の単位となる期間(「会計期間」という。)で、法令で定めるもの又は法人の定款、寄附行為、規則、規約その他これらに準ずるもの(以下この章において「定款等」という。)に定めるもの」

ただし、定款に定めがなければ、会社設立の日から2か月以内に税務署に会計期間を定めて届け出なければならないとなっています。通常は定款に定めておきます。多くの定款のモデルでも事業年度の条項が入っていると思います。

もし会社設立時の定款に事業年度の条項を入れていなければ税務署に届け出るとなっていますが、届け出としては「法人設立 届 出 書 」に事業年度の欄がありますので、そこで届け出ることになります。定款に事業年度を定めても定めなくても、法人設立届出書は会社設立から2か月以内に税務署に提出する必要があります。結局、定款に事業年度を定めなかったから手間が増えるというわけではありません。(法人税法では「会計期間」を届け出るとなっているのに法人設立届出書では「事業年度」となっていますが、気にしなくてもよいでしょう。)

事業年度と会計期間の違い

事業年度とは、定款(または法人設立届)で定められた会計期間のことをいいます。つまり、結局のところ会計期間と事業年度はイコールと思っておいて差し支えありません。イメージとしては、会計期間とは税法の手前の会計のルール上の用語、事業年度は法人税法上の用語といった程度で、両者は同じものととらえておけばよいでしょう。

法人税法上、税金関係のルールの条文では「事業年度」という言葉を使って、定款に定める事項として「会計期間」という言葉を使い分けています。(会計期間という言葉は数回しか登場しませんが、事業年度という言葉は数千回登場します。)