相続人以外からの相続登記の申請

相続登記の登記申請義務の大きな目的の一つは所有者不明土地の防止です。ということは、登記上誰がその不動産の相続人かということが明らかになっていれば、その目的は達成されているといえます。

そこで、改正される不動産登記法では以下のように定められています。

不動産登記法 第76条の2

3.前二項(相続登記の義務)の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、当該各項の規定による登記がされた場合には、適用しない。

代位者というのは、例えば相続人の債権者などが相続人に代わって相続登記の申請を行う場合のほか、一部の相続人によって法定相続分での相続登記の申請が行われるケースも該当します。

嘱託というのは裁判所などの依頼で法務局が登記を行うことです。

代位による登記も嘱託による登記も所有権を取得する相続人が登記を申請するわけではありませんが、登記が終わればだれが相続したかといういうことがわかる以上は、相続登記の申請義務も果たしたことになります。

相続登記の申請義務というのが、相続人自らに相続登記を申請させることではなく、所有者不明土地の発生防止が目的である以上、それが果たせるのであればどのような形で相続登記が申請されてもよいということです。