Last Updated on 2025年1月1日 by 渋田貴正
取締役の予選とは?
取締役の選任については、以下の通り定められています。
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役員の選任は株主総会のみに認められた事項です。
この選任のタイミングですが、本来であれば新たに役員を就任させるタイミング、または任期満了であれば定時株主総会にて選任することになります。しかし、在任中の取締役の後任として特定の者を選任することは既定路線だけど、まだ定時株主総会までに時間があるといったこともあり得ます。
このような場合に、取締役を将来の特定の日付から就任させる、いわゆる予選が行われることがあります。予選を行っておくことで就任予定の取締役候補にとっては就任の確実性が増しますし、退任予定者にとっても退任後の権利義務取締役の問題も出ないので安心です。
取締役を予選すること自体は、特に会社法上禁止されているわけではないので、問題ありません。予選といえども取締役の選任なので株主総会で決議すべきことには変わりありません。定時株主総会で取締役を予選することは理屈上あり得ないので、予選するなら臨時株主総会ということになります。
取締役の予選ができる条件
取締役の予選は会社法上規定されているわけではありませんが、一般的に以下の2つの要件を満たしておく必要があります。
1)予選から就任予定日までの間が1か月程度であること
2)予選から就任予定日までの期間中に新株発行や株式譲渡などによって、臨時株主総会と定時株主総会の間に株主の権利変動が予定されていないこと
1)の期間については、合理的な理由(株主が集まれるのが2か月に一回など)があればある程度の幅を以て許容できると考えられますが、それでも例えば半年前に予選するなどは2)の点からも不確実性が多く、認められないと考えられます。
補欠取締役と取締役の予選の違い
取締役の予選と似たようなものに補欠取締役の選任があります。補欠取締役とは、選任した取締役が辞任などで欠員が出た場合に備えて、あらかじめ後任として選任しておく取締役のことです。補欠取締役と取締役の予選は混同しないようにしておきましょう。
司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。少しでも相続人様の疑問や不安を解消すべく、複数資格を活かして相続人様に寄り添う相続を心がけている