贈与税の課税方法には暦年課税と相続時精算課税の2つのパターンがあります。しかしこの課税方法とは別に、贈与した財産そのものが非課税になる特例がいくつか存在します。贈与税が非課税になる特例をまとめました。
特例パターン 直系尊属からの贈与
住宅取得等資金の贈与 | 教育資金の一括贈与 | 結婚・子育て資金の一括贈与 | |
特例期限 | 2023年12月31日まで | 2026年3月31日まで | 2025年3月31日まで |
贈与者 | 直系尊属 | 直系尊属 | 直系尊属 |
受贈者 | 住宅購入者 | 教育を受ける者で30歳未満の者 | 結婚、子育てする者で18歳以上50歳未満の者 |
受贈者の所得制限 | 贈与年の合計所得金額が2,000万円以下 | 前年の所得が1,000万円以下 | 前年の所得が1,000万円以下 |
非課税枠 | 500万円(省エネ住宅は1,000万円) | 1,500万円(学校など教育機関以外に支払う費用は500万円まで) | 1,000万円(結婚費用は300万円まで) |
贈与税の申告 | 自ら(または税理士に依頼) | 金融機関経由 | 金融機関経由 |
税理士の関与 | 依頼に応じてあり | なし | なし |
残余が出た場合 | - | 贈与税として課税(税率は一般税率) | 贈与税として課税(税率は一般税率) |
住宅取得等資金の贈与については、特例の適用を受けるには贈与税の申告が必要となります。
申告して初めて特例の適用を受けられるのであって、非課税枠内だからといって贈与税の申告をしなくてもよいというわけではないことに注意しておきましょう。
教育資金の一括贈与や結婚・子育て資金の一括贈与については、贈与者としてもし贈与資金を取り戻したくても、いったん贈与した以上は未支払い分も含めて戻すことはできないため、贈与を行う前によく検討が必要です。
特例パターン 配偶者からの贈与
配偶者からの贈与については、その贈与が居住用不動産であり、一定の要件を満たす場合には贈与税の配偶者控除特例が受けられます。
司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。少しでも相続人様の疑問や不安を解消すべく、複数資格を活かして相続人様に寄り添う相続を心がけている