Last Updated on 2025年1月2日 by 渋田貴正

役員の任期

株式会社の役員(取締役や監査役)の任期は、取締役2年、監査役4年と定められていますが、この任期は非公開会社であれば定款に定めることで10年まで延長することができます。

この任期については、起算点や任期満了のタイミングは以下のようになっています。

任期の起算点 選任決議のとき(定款の定めで就任承諾のタイミングを起算点にすることも認められる)
任期満了のタイミング 定時株主総会の終結のとき

そして、任期満了については、定款で以下のように定められることが多いです。

取締役の任期は、選任後10年以内に終了する最終の事業年度に関する定時株主総会の終結時までとする。

このため、特に何もなければ1年ごとに事業年度が終わる株式会社であれば10期目、20期目・・・と任期が満了し、その都度重任の登記を申請していくことになります。

事業年度が変更された場合

ただし、イレギュラーなケースも存在します。その一つが事業年度を変更した場合です。

例えばもともと事業年度が4月~翌年3月だった会社が6月決算に変更した場合は、以下のようになります。(話を単純にするために、任期満了のタイミングは定時株主総会の終結日ではなく事業年度終了日としてあります。)

開始日 終了日
1 2020年4月1日 2021年3月31日
2 2021年4月1日 2021年6月30日(事業年度変更)
3 2021年7月1日 2022年6月30日
4 2022年7月1日 2023年6月30日
5 2023年7月1日 2024年6月30日
6 2024年7月1日 2025年6月30日
7 2025年7月1日 2026年6月30日
8 2026年7月1日 2027年6月30日
9 2027年7月1日 2028年6月30日
10 2028年7月1日 2029年6月30日(任期満了)

この場合は、10年間を待たずに任期が満了することになります。

また、例えばみなし解散などでいったん事業年度が終了したのちにすぐに会社継続したようなケースでもイレギュラーなケースが生じます。この場合、みなし解散のタイミングでいったん任期が満了します。例えば第12期のタイミングでみなし解散が発生したケースでは、会社継続のタイミングで新たに取締役が選任されることになりますので、そこから新たに任期のカウントが発生します。そのため、23期目で任期満了といったこともあり得ます。

単純に10の倍数の事業年度の定時株主総会で任期が満了するというように管理していると知らないうちに任期が満了していたといったことや、まだ任期が満了していなかったといったことになってしまう可能性があります。

解散+会社継続や株主総会の決議による事業年度変更などが生じた場合には、それに合わせて役員の任期の満了タイミングも注意しておく必要があります。