物権の種類

物権とは、モノを直接的・排他的に支配する権利をいいます。これだけだとよく分からないですが、平たく言えばモノについて他人に主張できる権利ということです。

物権には、大きく分けて2つのカテゴリがあります。

1)モノを支配している状態そのものをいう占有権
2)占有権を裏付けるために法律的に規定された本権

さらに本権は、モノの所有する権利そのものを表す所有権と、所有権を制限するための物権である制限物権に分けられます。そして、さらに制限物権は、モノの使用方法を制限する用益物権と、モノの処分方法を制限する担保物権に分けられます。

主な物権の種類をまとめると以下のようになります。

占有権
所有権
制限物権 担保物権 抵当権
質権
留置権
先取特権
用益物権 地上権
賃借権(借地権
地役権
永小作権
入会権
所有権以外の物権も相続の対象になりうる

相続は被相続人が持つ権利を包括的に引き継ぎます。最も分かりやすいのは、被相続人が所有しているものを相続することであり、これは所有権を引き継いでいるということになります。不動産であれば相続登記をすることで、所有権が引き継がれたことを他人に主張できるようになります。

このように所有権が最も分かりやすい例ですが、それ以外の権利も相続では引き継がれます。所有権以外の権利については、登記でもされていない限りなかなか把握することは難しいですが、確認できる範囲でも遺産分割協議書にまとめておいたほうがよいでしょう。

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