密接関係地を決めるのにドミサイルが重要

国際相続の現場において重要になるのが「ドミサイル」という概念です。ドミサイルの考え方は、相続以外にも婚姻、離婚、課税権など幅広く用いられます。

ドミサイルの考え方は相続の場面ではアメリカやイギリスなど英米法系が適用される国籍の被相続人の場合に特に重要になります。

ドミサイルは、日本でいうところの税法上などの「住所」に近いイメージで、「固定的な生活の本拠を持っている場所」をいいます。生まれてすぐのドミサイルドミサイルオブオリジン(domicile of origin)、その後生活基盤の移転とともに移転したドミサイルドミサイルオブチョイス(domicile of choice)といいます。このようにドミサイルはその時その時で一人に1つです。多拠点生活といったスタイルもありますが、そんな人でもドミサイルは最も生活において基盤となる場所ということで、どこか1か所に決定されます。

特にアメリカのように一つの国の中でも州などの場所ごとに適用される法律が異なる国(場所的不統一法国)では、被相続人のドミサイルを基準に適用すべき法律を決めることになります。

ただし、多くの相続分割主義の国では、不動産の相続については所在地法が適用されるため、不動産登記についてはドミサイルが問題になることはほとんどありません。相続でドミサイルの概念が関係してくるのは、もっぱら動産の相続だけと思っておけばよいでしょう。

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