Last Updated on 2025年1月2日 by 渋田貴正
会社設立などで会社関係の登記をする場面は数多くあります。そんな登記について、使えない文字があるということはいろいろと書かれています。
例えば、商号のルールとして以下のようなものがあります。
・設立する会社の種類(株式会社や合同会社など)は必ず入れる
・「!」や「?」、「@」などの記号は使用できない
・「銀行」「信託」「保険」は、実際にこれらの業種でないと使用できない。
!や?などは、商号に限らず事業目的などにも使用できません。そもそも登記記録のシステム上、これらの文字は使用できない仕様となっています。
こういった表面上分かりやすいルールもありますが、そのほかに忘れがちなポイントとして、スペースが入れられないということがあります。
登記記録をよく見ると、役員の姓と名の間にスペースは入っていません。これも、登記記録のシステム上スペースは詰まってしまうということに由来します。
例えば取締役の「山田 太郎」さんは登記記録上は「山田太郎」となります。これは商号でも同じです。「株式会社ラブ アンド ピース」と登記したくても、登記記録上は「株式会社ラブアンドピース」となります。分かりやすい単語の組み合わせならよいのですが、どこが区切りか分からないといったケースもあります。そうした場合には、「・(中点)」をつけることで対応するか、商号をアルファベット表記にします。アルファベットであれば単語の間にスペースを入れることが可能です。
(可)
株式会社ラブアンドピース
株式会社love and peace
株式会社ラブ・アンド・ピース
(不可)
株式会社ラブ アンド ピース
これは、役員の氏名でも同じです。日本語であれば姓と名の境目は分かりやすいです。「山田太郎」と書いてあって、「山 田太郎」と思う人はなかなかいないと思います。しかし、これが外国の方の名前だとかなり迷うことがあります。私も外国籍の方の登記を日々行っていますが、どこが境目なのか分かりにくいこともしばしばあります。そのため、中点を入れて境目を明確にしています。
(可)
ドナルド・トランプ
ドナルドドランプ
(不可)
ドナルド トランプ
登記するときは、英単語間以外はスペースは入れられないということは認識しておく必要があります。特に社名でスペースを入れて登記申請してしまうということがないように日々注意しています。
司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。少しでも相続人様の疑問や不安を解消すべく、複数資格を活かして相続人様に寄り添う相続を心がけている