Last Updated on 2025年1月2日 by 渋田貴正
非居住者も青色申告できる
非居住者については、一定の国内源泉所得がある場合には日本国内で所得税の確定申告が必要となります。非居住者の判定については以下の表の通りです。
国内住所 | 現在まで引き続き居所を有する期間 | 国籍 | 過去10年間の住所または居所の期間 | 区分 | 形態 |
あり | 問わない | 日本 | 問わない | 居住者 | 永住者 |
あり | 問わない | 外国 | 5年超 | 居住者 | 永住者 |
あり | 問わない | 外国 | 5年以下 | 居住者 | 非永住者 |
なし | 1年以上 | 日本 | 問わない | 居住者 | 永住者 |
なし | 1年以上 | 外国 | 5年超 | 居住者 | 永住者 |
なし | 1年以上 | 外国 | 5年以下 | 居住者 | 非永住者 |
なし | 1年未満 | 問わない | 問わない | 非居住者 | 非居住者 |
そして非居住者の確定申告については、以下のように定められています。
所得税法 第166条 前編第五章及び第六章(居住者に係る申告、納付及び還付)の規定は、非居住者の総合課税に係る所得税についての申告、納付及び還付について準用する。 |
つまり、非居住者の確定申告については居住者と同様に扱う旨が規定されています。そのため、青色申告についても非居住者は居住者と同様に受けることができるということになります。
非居住者について国内で総合課税を受ける場合(例えば日本国内に恒久的施設がある場合など)には、開業届も必要ですが、もし税理士に依頼するなどしてしっかりと経理を行うのであれば、非居住者であっても青色申告承認申請書の提出をすることをおすすめします。
非居住者の青色申告承認申請書の提出期限
青色申告承認申請書の提出期限についても、居住者と同様ですので、提出期限は以下の通りとなります。
1月1日~1月15日の間の開業 | その年の3月15日まで |
1月16日以降の開業 | 開業から2か月以内 |
提出期限を1日でも過ぎるとその年について青色申告で申告することはできません。特に非居住者の場合は、e-taxを使うことも難しく、税務署に郵送提出することも困難です。そのため、期限を厳守するために税理士に提出を依頼したほうが確実です。
非居住者の青色申告承認申請書の提出先税務署
非居住者の確定申告の管轄(納税地)は以下のようになっています。
条件 | 納税地(管轄の税務署所在地) | |
1) | 日本国内に居所を有する場合 | 居所地 |
2) | 日本国内に居所がないが恒久的施設を有する場合 | 恒久的施設の所在地 |
3) | 日本国内に恒久的施設がないが、日本の最後の住所に親族が居住している場合 | その最後の納税地 |
4) | 上記1)~3)に該当しない場合で不動産所得がある場合 | その不動産の所在地 |
5) | 上記1)~4)に該当していたが、該当しなくなった場合 | 最後の納税地 |
6) | いずれにも該当しない場合 | 麹町税務署 |
自分がどのケースに該当するかを確認して、該当する税務署に青色申告承認申請書を提出することになります。
判断できないといった場合は、税務署への提出を依頼したいといった場合はお気軽にご相談ください!
司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。少しでも相続人様の疑問や不安を解消すべく、複数資格を活かして相続人様に寄り添う相続を心がけている