Last Updated on 2024年4月24日 by 渋田貴正
時効取得に必要な「公然」な占有とは?
時効により不動産や動産などを取得するには以下の要件を満たす必要があります。
1)所有の意思
2)平穏
3)公然
|
このうち、「公然」というのがどのような状態を指すのかを説明します。
簡単にいえば、「公然」とは占有していることをわざと隠さずに占有を開始したということです。民法上は「公然」という概念は時効取得などモノの所有権を取得する場面でのみ使われる概念です。
この「公然」の反対は「隠匿」です。つまり自分が不動産などを占有していることをわざと隠して占有することです。
ただし、公然ではない占有とは、あえて占有していることを隠すことをいいますので、特に隠したつもりはなかったけど、相手が占有していることを知らなかったというだけであれば「公然」の占有といえます。
不動産を占有しているということを隠ぺいすることはかなり困難です。通常の占有であれば「公然」な占有と捉えて問題ないでしょう。
司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。合わせて、複数の資格を活かして会社設立や税理士サービスなどで多方面からクライアント様に寄り添うサポートを行っている。