韓国籍の被相続人の相続放棄の可能性

日本在住の韓国籍の方は諸外国の中でも多く、日本で亡くなる韓国の方も多くなりました。韓国籍の方が亡くなり、その相続人の方から相続放棄についての問い合わせを受けるケースが増えたので、日本在住の韓国籍の方が亡くなったときの相続放棄の可能性についてまとめました。

家事事件手続法

第3条の11 裁判所は、相続に関する審判事件(中略)について、相続開始の時における被相続人の住所が日本国内にあるとき、住所がない場合又は住所が知れない場合には相続開始の時における被相続人の居所が日本国内にあるとき、居所がない場合又は居所が知れない場合には被相続人が相続開始の前に日本国内に住所を有していたとき(日本国内に最後に住所を有していた後に外国に住所を有していたときを除く。)は、管轄権を有する。

上記の通り、日本に最後の住所があった場合には、韓国籍の被相続人であっても日本の家庭裁判所が管轄権を有します。

しかし、もう一点そもそも韓国の法律で相続放棄という制度があるかどうかという問題があります。いくら日本の家庭裁判所が管轄権を有していても、そもそも本国の法律で相続放棄が定められていなければ相続放棄をすることはできません。

その点、韓国の民法では相続放棄の制度が規定されていますので、相続放棄自体は行うことができます。

ただし、韓国で相続放棄が認められているということを証明するために韓国の法律を調査して、該当する条文を提出するなど、日本国籍の被相続人の相続放棄よりも必要書類が多くなります。

韓国籍の被相続人の相続放棄については、当事務所のように国際相続に詳しい専門家に依頼することをおすすめします。

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