公証処での相続証明書とは?
日本には戸籍制度があり、その戸籍を使用して相続関係を証明することになります。しかし、中国をはじめ諸外国では戸籍の制度がないため、別の方法で相続関係を証明することになります。
中でも日本に住んでいる外国籍の方のなかでも最も多い中国籍の方の相続については相続関係の証明としていくつかの方法があります。その中の一つが相続証明書です。
相続証明書とは、中国の公証処において作成してもらう、相続人として誰がいるのかということを証明した書類のことです。日本でいうところの法定相続情報一覧図のようなものです。ただし、法定相続情報一覧図は法務局に戸籍などを提出することで作成でき、司法書士などの代理人が代わりに申請することもできますし、郵送で申請することもできます。
しかし、相続証明書は中国の公証処に相続人が直接出向いて、公証人の面前で宣誓する必要があります。宣誓する内容は以下の通りです。
1)被相続人が死亡したという事実
2)申請人が相続人に間違いないという事実
3)申請人のほかに相続人はいないという事実
4)申請人である相続人の現住所
これらが記載された相続証明書をもって、全相続人を証明するということになります。
また、公証処における相続証明書の発行については、被相続人の死亡を証する書面が必要です。
なお、在日の中国大使館では上記の公証処で発行してくれるような相続証明書の発行業務は行っていません。実際には被相続人が中国籍だったとしても日本で亡くなっていて、かつ相続人も全員日本在住であるといったケースもあり、こうした場合には相続証明書の発行は困難です。相続証明書の発行が困難である場合には、別の方法で相続関係を証明していくことになります。
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司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。少しでも相続人様の疑問や不安を解消すべく、複数資格を活かして相続人様に寄り添う相続を心がけている