Last Updated on 2025年1月3日 by 渋田貴正

一般社団法人の公告方法

一般社団法人を設立する場合にも、株式会社や合同会社と同じように公告方法を決めることが必要です。

一般社団法人の公告方法には法律上以下の方法が規定されています。

一般社団法人

第331条

1 官報に掲載する方法
2 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
3 電子公告(公告方法のうち、電磁的方法により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。以下同じ。)
4 前三号に掲げるもののほか、不特定多数の者が公告すべき内容である情報を認識することができる状態に置く措置として法務省令で定める方法

1~3の公告方法(官報、日刊新聞、電子公告)は株式会社や合同会社と同じです。さらに一般社団法人については4つ目の方法が認められています。

4つ目の「法務省令で定める方法」は具体的には「主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法」です。この方法は会社には認められていない独特な公告方法です。

一般社団法人の公告方法は定款に必ず記載しなければならない

一般社団法人の公告方法は定款に必ず記載しなければならない絶対的記載事項です。「それは会社も同じでは?」と思う方もいるかもしれませんが、そうではありません。会社の場合は、会社法で以下のように定められています。

会社法 第939条

会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。

一 官報に掲載する方法
二 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
三 電子公告
2 (中略)
3 (中略)
4 第一項又は第二項の規定による定めがない会社又は外国会社の公告方法は、第一項第一号の方法とする。

つまり、会社の場合は定款に公告方法が書いていなければ自動的に官報を公告方法として選択したことにしますよ、ということです。会社では公告方法は官報に必ず記載しなければならないというわけではないということです。

しかし、一般社団法人ではこのように自動的に官報にするという規定が設けられていません。そのため、一般社団法人では公告方法は必ず定款に記載しなければならず、公告方法の記載がない定款は無効ということになります。

多くのケースでは4番目の方法である「主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法」が使われます。この公告方法は決算公告と合併公告でのみ使用されますが、実務上も公告といえばこの2種類なので特に支障はないでしょう。

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