Last Updated on 2025年1月3日 by 渋田貴正
不動産を個人で所有して賃貸している場合には不動産所得が発生します。不動産所得が発生すれば、基本的には確定申告が必要となります。
この不動産所得について、所得税法上の永住者に該当する場合は国内で発生した所得に限らず、国外で発生した所得で国外で受領した分の収入も課税の対象となります。
海外に保有する不動産も日本国内で課税対象になるということは、裏返せば、もし国外で所有する不動産について赤字が発生した場合は、日本国内で発生した不動産収入の黒字と通算することができるということです。
さらに言えば、もし国外で不動産を保有するオーナーが日本国内で個人事業主として事業所得がある場合、最終的に国外での不動産保有が原因で不動産所得が赤字となった場合に、日本国内での事業所得と海外所有の不動産の赤字を損益通算することができます。
損益通算できる所得について日本国内に限る旨の規定がないため、遠慮なく日本の確定申告において損益通算ができるということになります。
なお、例えばアメリカのLLCのように現地ではパススルー課税(法人ではなく構成員個人に直接課税する制度)が採られているケースもあります。この場合も、日本においては外国法人に該当します。そのため、このようなケースで海外でパススルー課税として扱われた結果、損失額が自己に帰属したとしても、その金額を日本の不動産所得と相殺することは認められません。
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2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。少しでも相続人様の疑問や不安を解消すべく、複数資格を活かして相続人様に寄り添う相続を心がけている