公正証書遺言を紛失した場合の対応

公証役場で作成した遺言書は公正証書遺言と呼ばれます。

公正証書遺言に限らずですが、遺言書は作成してから数10年後に相続が発生するということも珍しくありません。遺言書を作成したのは明らかだけど、その遺言書が見つからないというケースも考えられます。

遺言書を紛失した場合、自筆証書遺言だともはやどうにもなりません。(遺言保管所による自筆証書遺言の保管をしている場合は話は別ですが。)

しかし、公証役場で作成した公正証書遺言であればリカバーが可能です。公正証書遺言は、作成後、作成した公証役場でも厳重に保存されます。通常であれば公正証書の保存期間は作成から20年間であり、その期間を過ぎたなら公証役場では破棄することができます。しかし、公正証書遺言の場合は、遺言者が120歳になるまで保存することになっています。

これまでの世界最高齢の人は122歳と言われていますが、さすがに120歳になるであろう年まで保管しておけば、遺言者がものすごく長生きして作成から20年超経過したあとで遺言書正本や謄本の紛失の申し出があった場合でも再発行の対応できます。

さらに万が一、地震などの天災地変によって公証役場で保存していた原本が滅失してしまうことも有り得るので、さらに公正証書遺言の原本を作成後、パソコンでスキャンしたデータを日本公証人連合会の本部で保存することにしました。

このように、公証役場での遺言者が120歳に達するであろう年までの公正証書遺言の原本の保存と、日本公証人連合会でのスキャンデータ保存という二重の保存によって、もし遺言者や相続人が公正証書遺言を紛失した場合に備えています。

公正証書遺言を作成した公証役場が不明な場合の対応

もし、遺言書を紛失したという場合には作成した公証役場に問い合わせて、遺言書の正本や謄本の再交付を依頼しましょう。

また、相続人が問い合わせる場合で、どの公証役場で遺言書を作成したのか不明な場合は、全国の公証役場で遺言の検索を依頼できます。公証役場で作成された公正証書遺言(や秘密証書遺言)については、日本公証人連合会がデータベースを作成しており、全国どの公証役場からでも、どの公証役場で遺言書が作成されたのかということを検索してもらうことができます。

そのため、どの公証役場で作成したかすら分からない状態であれば、お近くの公証役場に出向いて遺言の検索をしてもらうことから始めましょう。相続人から公正証書遺言の検索を公証役場に依頼する場合は、遺言者が死亡したことがわかる除籍謄本と、依願者が遺言者の相続人であることを示す戸籍謄本、依頼者の本人性を確認できる運転免許証か依頼者本人の印鑑登録証明書と実印を用意する必要がありますので準備しておきましょう。

当事務所では遺言書の作成から、相続発生後の各種相続手続きを一括して承っております。お気軽にご相談ください!

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