Last Updated on 2025年1月5日 by 渋田貴正

株式会社を設立する場合に必ず決めなければならない項目の一つが1株当たりの単価です。

発行済株式総数×1株当たりの単価=資本金(+資本準備金)

資本金は上記の金額で計算されますが、上記の計算式の3つの数字がどこから先に決まるかはその会社次第です。

1株当たりの単価はいくらにすべきかについて、決まった答えはありません。ただ、設立する会社の状況に応じて、いくつか決めるための目安のようなものは存在します。

1. 一人、または仲間内の少人数で設立し、将来的に外部株主からの出資などを考えていないケース

いまでは、一人会社や仲間内で設立した小規模な株式会社も珍しくありません。このような会社で、将来的にも外部株主からの出資を考えていないケースでは、1株当たりの単価はそれほど意味を持ちません。結局将来にわたって株主が固定されるので、各株主が何株持っているかということも当初決めた比率が維持されます。極端な話、1人で設立した場合、1株だけ発行するといった場合でも問題ないでしょう。

ただし、もしかしたら将来自分が保有している株式を他の役員や家族などに譲渡する可能性があることや、もし相続が発生した場合に相続人に株式を分配しやすくするといったことに備えてある程度の株数に分けておいた方がよいでしょう。

こうしたケースでは迷ったら1株当たり1万円というケースが多いと思われます。この1万円は慣習的な話で特段大きな意味を持っているわけではありません。

2. 将来の増資を考えている場合

1株あたり100円から500円以下など、かなり低めの価格設定にすることが一般的です。1株当たりの単価を低く設定しておいて発行する株数を増やすことで、少額の出資で多くの株式を発行できることや、創業者と外部株主の議決権割合を調整しやすくできます。

この話の流れだと、最も合理的で望ましいのは1株1円です。ただ、なんとなく1株1円というのが抵抗があるのか100円ほどで落ち着くケースが多いように思えます。

3. 株主を広く募る場合

設立当初から株主を広く募る場合も、上記と同様に1株あたり500円以下など、かなり低めの価格設定にすることが一般的です。1株当たりの単価を低く設定しておいて発行する株数を増やすことで、少額の出資で多くの株式を発行できることや、創業者と外部株主の議決権割合を調整しやすくできます。