Last Updated on 2025年1月5日 by 渋田貴正

合同会社で社員が退社する場合、その社員の持分払戻しに伴って資本金が減少するような場合には債権者保護手続きが必要です。それでは、合同会社の社員が総社員の同意で任意退社する場合や法定退社する場合などで、社員の退社の効力はどの段階で発生するのかについて説明します。

合同会社の社員の退社の流れとして最も多いケースは総社員の同意による任意退社だと思われます。その場合の流れは一般的に以下の通りです。

1)総社員の同意による退社の決定

2)1)の決定に伴う定款の変更

3)資本金が減少する場合には債権者保護手続き

4)時価による持分の払戻し

この中で、退社の効力が発生する、つまり合同会社の経営者でなくなるのはどのタイミングなのかというと、それは1)退社の決定をしたときです。実際には2)の定款の変更についてはいわゆる「みなし変更」により別途決議しなくても退社した社員の定款が削除されたものと扱われますし、実際に持分の払戻しが行われるかどうかということについては、合同会社と社員の間の債権債務の関係になり、実際に持分の払戻しによってお金が動かないと退社の効力が発生しないというわけではありません。

ただし、社員の退社の効力発生日を実際の持分の払戻しの日にすることも可能です。

例えば、総社員の同意による退社の決定において、退社の効力発生日を持分の払戻しの日とすることを決定しておけばよいでしょう。この場合、債権者保護手続きが完了し、実際に時価による持分の払戻しが行われるまでは社員としての権利や義務を継続するということも可能です。