不動産管理会社とは?
「不動産管理会社」といった形態が法律で定められているわけではなく、慣用的に使われているだけの言葉であるため定義は場面場面であいまいになることもありますが、一般的には以下のような法人が「不動産管理会社」と呼ばれます。
1)オーナーが所有する不動産の管理を委託するために設立された法人
2)オーナー個人から不動産の所有権を移し、不動産所得を移管するために設立された法人
なかでも「節税」効果が高いのは、2)のように不動産の所有権を持って家賃収入を得る不動産管理会社です。
実際に不動産管理会社を設立することでトータルの税金を減らすことは可能です。それでは、どのようにして不動産管理会社で税金を減らすことができるのかということについて説明します。
個人の不動産オーナーと不動産管理会社にかかる税金の違い
個人と会社では以下のようにかかる税金に差があります。
個人にかかる税金 | 会社に係る税金 | |
不動産を個人所有 | 所得税・住民税・事業税・事業用で賃貸している場合は消費税 | - |
不動産を不動産管理会社で所有 | 所得税・住民税 | 法人税等・事業用で賃貸している場合は消費税 |
このように、個人オーナーのケースと不動産管理会社で所有するケースで税金に違いがありますが、この税金の違いが節税になる理由です。
もう少し詳しく言えば、会社を設立して、会社から元オーナーである社長やその他の親族に対して給与を支払うことで、所得を個人と会社に分散させることができます。
所得に対して課税される税金は、一般的には所得が低いほどに適用される税率が低くなります。(累進課税)特に個人に対して課税される所得税においてその傾向が強いため、オーナー個人に所得が集中する個人所有よりも、不動産管理会社に不動産の名義を移して不動産賃料は会社の売上で計上しつつ、オーナーやその家族には給与の形で支払い会社では費用で計上することで、個人と会社の所得分散効果によってトータルで適用される税率が低く抑えることができるということです。
特にこの所得分散による節税は、給与を受ける人が多ければ多いほどに効果を発揮します。例えば、オーナーのほかに子が3人いる場合、その4人で役割分担して不動産管理会社を経営し、それぞれに給与を支払った方が節税効果は高くなります。(もちろん理由のない給与支払はできないので、何かしらの形で不動産管理会社の経営や運営に携わる必要があります。)
不動産管理会社は相続対策にもなる
不動産管理会社に賃料収入を移すことで、オーナー個人が所有する資産を圧縮することができます。特にこれは相続発生までの期間が長いほどに効果が出てきます。節税を意識するのであれば、不動産管理会社を設立するのであれば、なるべく早めのほうがよいということになります。
当事務所では、不動産管理会社の設立をお考えの方のために、シミュレーションを通しての節税見込みなどをアドバイスするとともに、実際に不動産管理会社を設立する際の会社設立の登記や不動産名義変更の登記などを一貫して対応しています。不動産管理会社の設立をお考えの方も設立したほうが良いかどうか検討している方もお気軽にご相談ください!
司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。少しでも相続人様の疑問や不安を解消すべく、複数資格を活かして相続人様に寄り添う相続を心がけている