チリ国籍の人でも日本で遺言を遺せるのかということについてまとめました。

結論から言えばチリ国籍の人でも日本で遺言をすることができます。

そもそも外国籍の人が日本国内で遺言を作成するには3つのクリアするポイントがあります。

1)本国の法律で遺言の制度があるかどうか

2)遺言の方式について日本の民法を適用できるかどうか

3)不動産や動産の相続について日本の法律を適用できるかどうか

チリの法律で遺言の制度があるか

まず、遺言については以下のように定められています。

法の適用に関する通則法
第37条 遺言の成立及び効力は、その成立の当時における遺言者の本国法による。

そして、チリでは、遺言の制度がありますので、遺言自体は残すことができます。

遺言の方式について日本の民法を適用できるかどうか

そのうえで、遺言の方式については、以下のように定められています。

遺言の方式の準拠法に関する法律

第2条 遺言は、その方式が次に掲げる法のいずれかに適合するときは、方式に関し有効とする。
一 行為地法
二 遺言者が遺言の成立又は死亡の当時国籍を有した国の法
三 遺言者が遺言の成立又は死亡の当時住所を有した地の法
四 遺言者が遺言の成立又は死亡の当時常居所を有した地の法
五 不動産に関する遺言について、その不動産の所在地法

「行為地法」とは、とある法律行為をする地の法律のことです。公正証書遺言であれば、遺言という法律行為を行うのは日本国内の公証役場なので行為地法は日本です。

そのため、公正証書遺言については必ず行為地は日本になります。また、不動産に関する遺言についても不動産の所在地が日本国内にあれば海外で残した遺言であっても日本の民法の方式で残すことが可能です。

不動産や動産の相続について日本の法律を適用できるかどうか

不動産や動産の相続について日本の法律を適用できるかどうかも重要な要素です。

チリでは「相続は、明示的に除外されている場合を除き、その者の死亡時にその最後の住所地において開始する。」ということで住所地法を採用しています。そのため、日本在住であればチリ国籍の人でも日本の民法に従って相続を行っていくことになります。

ただし、日本で外国籍の人が遺言を残す場合には、日本で遺言を作成できる外国での法的な根拠を示すなど日本国籍の人が遺言を残す場合に比べて手間がかかります。

当事務所では、遺言書の作成から、遺言執行者の就任まで、外国籍の方が安心して遺言書を残せるように国際遺言作成サポートのサービスを提供しております。

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