Last Updated on 2025年2月24日 by 渋田貴正
毎年2月から3月にかけて話題になる「確定申告」。今では副業をする人も増えたので、副業での確定申告が必要かどうかを迷う人も多いと思います。そのため、今回は副業をしている人で確定申告が不要になる人についてまとめます。
確定申告が不要な人の基本条件とは?
会社員(給与所得者)であっても、すべての人が確定申告をしなくてよいわけではありません。確定申告が不要となる基本的な条件は以下の通りです。
✅ 年収(給与収入)が2,000万円以下であること
✅ 給与のすべてに所得税が源泉徴収され、年末調整が完了していること
✅ 給与以外の所得(副業や投資など)が年間20万円以下であること
この条件を満たしていれば、基本的に確定申告は不要です。ただし、細かい条件があるため、以下で詳しく見ていきましょう。
ケース①:給与が1か所のみで、副業が給与以外のケース
あなたの給与が1社のみから支払われている場合、年末調整で所得税が清算されるため、追加の確定申告は不要です。ただし、本業の給与以外の所得(副業・投資など)が20万円を超える場合は申告が必要になります。
条件 | 確定申告の必要性 |
給与収入が1社からのみで、年末調整済み | 不要 |
給与以外の所得(副業・投資など)が20万円以下 | 不要 |
給与以外の所得(副業・投資など)が20万円超 | 必要 |
例:
✅ 給与収入:500万円(1社)
✅ 副業(フリマアプリでの利益):15万円
➡ 確定申告 不要
✅ 給与収入:600万円(1社)
✅ 副業(ブログ収入):25万円
➡ 確定申告 必要
ケース②:副業が給与で受け取っているケース
会社員でも、副業としてアルバイトをしていたり、転職して年内に2社以上から給与を受け取った場合は、以下の条件を満たせば確定申告は不要です。
✅ 副業の給与収入とその他の所得(副業・投資など)の合計が20万円以下
✅ 本業と副業を合算した給与収入が150万円以下で、一定の控除額の範囲内
条件 | 確定申告の必要性 |
2社以上の給与を受け取っているが、副業の給与の年間額面の合計が20万円以下 | 不要 |
本業と副業を合算した給与収入が150万円以下で、控除額の範囲内かつ、給与以外の副業収入が20万円以下 | 不要 |
副業の給与の年間額面の合計が20万円超 | 必要 |
ここで忘れがちなのが、上記の150万円基準です。副業が20万円を超えていても、本業との合算で150万円以下であれば、基本的には確定申告が不要です。
厳密には以下の数式となります。
給与の総収入金額≦150万円+(基礎控除、医療費控除、寄付金控除、雑損控除以外の所得控除の合計額)
給与収入が150万円以下の場合、最低でも給与所得控除額の55万円が適用されます。また、そのほかに基礎控除で48万円が適用されるため、最低でも103万円までは非課税です。さらに差額の47万円については社会保険料控除やその他の所得控除でほぼ消える可能性が高く、そのため、上記のケースでは確定申告が不要となっています。
例:
✅ 本業:給与収入 90万円
✅ 副業:アルバイト給与 50万円
➡ 基本的には確定申告 不要!
✅ 本業:給与収入 600万円
✅ 副業:アルバイト給与 50万円
➡ 確定申告 必要!
確定申告が必要になるケース
上記の条件を満たしていても、以下のような場合には確定申告が必要になります。
① 年収2,000万円を超えている場合
給与収入が2,000万円を超えている場合、年末調整では対応できず、確定申告が必須となります。
② 住宅ローン控除を受ける初年度
住宅ローンを利用してマイホームを購入し、住宅ローン控除を受ける場合、初年度は確定申告が必要です。
③ 医療費控除やふるさと納税のワンストップ特例を使わない場合
医療費が年間10万円以上かかった場合、確定申告をすれば医療費控除を受けられます。また、ふるさと納税のワンストップ特例を利用しない場合も、確定申告が必要になります。
④ 副業収入が20万円を超えている場合
アルバイトや投資、ブログ収入などが年間20万円を超えた場合、確定申告をしないと脱税になるので注意しましょう。
「確定申告が不要な人」の条件を簡単にまとめると、以下のようになります。
項目 | 確定申告の必要性 |
給与が1社のみ&副業・投資収入が20万円以下 | 不要 |
2社以上の給与収入があるが、合計20万円以下 | 不要 |
給与が2,000万円超 | 必要 |
副業や投資収入が20万円超 | 必要 |
医療費控除・住宅ローン控除を受ける場合 | 必要(初年度) |
確定申告が必要かどうか迷ったら、この表を参考にしてみてくださいね! 自分がどのケースに当てはまるかチェックし、適切な対応をしましょう。

司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。合わせて、複数の資格を活かして会社設立や税理士サービスなどで多方面からクライアント様に寄り添うサポートを行っている。