外国籍の被相続人の相続放棄の申立ての期限
相続放棄の申立を行うには期限があります。熟慮期間とも呼ばれているこの期限は、日本では以下のように定められています。
民法 第915条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。(後略) |
このように日本においては、相続の開始を知ってから3か月以内と決められています。この3か月間は熟慮期間と呼ばれています。
それでは、日本国籍以外の被相続人が亡くなったときに日本で相続放棄の申述を行う際の期限(熟慮期間)はどうなるのでしょうか?
国際的な相続については、以下のように定められています。
法の適用に関する通則法 第36条 相続は、相続人の本国法による。 |
「本国法」つまり、相続関係の法律についてはその被相続人の国籍がある国の法律を適用するということです。この「相続」という言葉には、相続開始から相続人に遺産が帰属するまでに適用される一切の相続関係の手続きが含まれます。ということは、相続放棄の期限についても被相続人の国籍がある国の法律が適用されるということになります。
国ごとの熟慮期間
国ごとに異なる熟慮期間(相続放棄の申立期限)のうち、主なものは以下の通りです。
日本 | 相続の開始があったことを知った時から3か月以内 |
韓国 | 相続の開始があったことを知った時から3か月以内 |
ベトナム | 遺産分割の時まで |
中国 | 遺産が処分される前まで |
台湾 | 相続の開始があったことを知った時から3か月以内 |
ロシア | 相続の開始があったことを知った時から6か月以内 |
司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。少しでも相続人様の疑問や不安を解消すべく、複数資格を活かして相続人様に寄り添う相続を心がけている