外国籍の方で、国によって血統主義を採用している国については日本で生まれても外国籍というケースがあります。例えば中国では血統主義を採用しているため、日本で生まれたとしても両親が中国籍の場合は子も中国籍になります。
日本で生まれた子の場合、在日本の大使館や総領事館に出生登録を行って国籍取得を行うことになりますが、基本的にはその後の身分関係については本国での管理は行われませんし、何かしらの証明書が発行されることもありません。
一方、もし日本在住の外国籍の被相続人が亡くなり子が相続人になる場合、親子関係を証明する必要があります。日本であれば戸籍を見て判断できますが、戸籍制度がない諸外国では親子関係は本国の役所が発行した出生証明書や公証人が作成した公証書で証明することになります。ただし、国によっては海外で出生した子についての出生証明書が発行できなかったり、公証人も本国で発行した親子関係の証明がないため、公証書の発行ができないといった問題が発生することがあります。
このような場合は本国での親子関係の証明ができないため、日本側で何かしらの親子関係の証明を確認することになります。出生登録するタイミングにもよりますが、外国人登録原票に載っていればそれで親子関係が分かりますが、外国人登録原票が廃止となった2012年7月9日より後に出生した子だったり、それ以前に出生した場合でも外国人登録原票に登録されていなかったりする子については外国人登録原票から親子関係を証明することはできません。
その場合、次の方法としては自治体に出生届の記載事項証明書を発行してもらう方法があります。出生届には両親の氏名が記載されているため、出生届記載事項証明書によって親子関係を証明するというわけです。ただし、出生届については保存期間が存在しますので、出生届の保存期間が過ぎていると出生届記載事項証明書の発行もできないということになります。
外国籍の被相続人の場合、公的書類によって親子関係を証明することがなかなか困難なケースが少なからず存在します。手続きにお困りの方はお気軽に当事務所までご相談ください!
司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。少しでも相続人様の疑問や不安を解消すべく、複数資格を活かして相続人様に寄り添う相続を心がけている