Last Updated on 2024年12月28日 by 渋田貴正
検査役とは?
検査役とは、株式会社設立の際に、一定の事項について調査を行う人です。一定の事項とは以下の事項(変態設立事項といいます)を指します。
1)現物出資
2)財産引受
3)発起人の報酬や特別利益
4)設立費用
これらの事項を定める場合には、定款への記載が必要であり、それに対して検査役が検査をするということになります。検査役は裁判所が選任する専門家であり、多くは弁護士が選任されます。
実際には、2)~4)の事項についてはそれほど実例は多くなく、ほとんどは1)現物出資で検査役の選任が問題となります。
現物出資で検査役の選任が不要なケース
現物出資を行う場合、原則として検査役の選任が必要となります。検査役は公証役場での定款認証後、発起人が家庭裁判所に専任の申し立てを行います。検査役は、財産の価額を評価して裁判所に報告します。その後現物出資の価額の妥当性などが裁判所によって判断されることになります。
というのが、検査役の選任の流れですが、検査役の選任が不要なケースも存在します。というよりは、検査役を選任すると時間もコストもかかるので、検査役を選任しなくても済む形で現物出資を行うケースがほとんどです。
特に利用されているのが、現物出資の価額が500万円を超えないように現物出資を行うパターンです。「現物出資財産として定款に記載された価額の総額が500万円以下」の場合に検査役の調査が不要になりますので、例えば発起人Aが300万円、Bが400万円というように、個々の現物出資は500万円以下であっても、総額で500万円を超えているなら現物出資について検査役の選任が必要となります。
合同会社では現物出資で検査役の選任は不要
合同会社の場合は、金額にかかわらず現物出資をする際に検査役の選任は一切不要です。
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司法書士・税理士・社会保険労務士・行政書士
2012年の開業以来、国際的な相続や小規模(資産総額1億円以下)の相続を中心に、相続を登記から税、法律に至る多方面でサポートしている。少しでも相続人様の疑問や不安を解消すべく、複数資格を活かして相続人様に寄り添う相続を心がけている