Last Updated on 2025年1月5日 by 渋田貴正

法務局に印鑑を届け出ることができる人

会社設立をする際には、通常は印鑑を法務局に届け出て印鑑登録をします。完全オンライン申請によれば法務局に印鑑登録することなく会社設立登記をすることも可能ですが、会社のハンコもリーズナブルなものも多く、とりあえず登録しておくというケースがほとんどです。

この法務局に登録する印鑑は会社の印鑑というわけではなく、登記申請書などに押印する人に紐づく印鑑です。そのため、一つの法人に対して複数の印鑑を届け出ることも可能です。ただし、一つの法人で複数の人が印鑑を法務局に登録する場合、同じ印影では登録できません。直径や字体を変更する必要があります。

法務局に印鑑登録できる者として、以下の者が規定されています。

商業登記法(印鑑証明)
第12条
次に掲げる者でその印鑑を登記所に提出した者は、手数料を納付して、その印鑑の証明書の交付を請求することができる。
一 第十七条第二項の規定により登記の申請書に押印すべき者(委任による代理人によつて登記の申請をする場合には、委任をした者又はその代表者)
二 支配人
三 破産法(平成十六年法律第七十五号)の規定により会社につき選任された破産管財人又は保全管理人
四 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)の規定により会社につき選任された管財人又は保全管理人
五 会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)の規定により選任された管財人又は保全管理人
六 外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)の規定により会社につき選任された承認管財人又は保全管理人

上記の規定は印鑑証明書の交付を請求できる者ですが、つまりそれは印鑑登録できる者を指しています。

かんたんにまとめると、以下の人が法務局に印鑑登録できる人ということになります。

1)会社の代表者(株式会社の代表取締役、合同会社・合資会社・合名会社の代表社員、特例有限会社の取締役、清算会社の清算人)

2)代表社員が法人の場合は、職務執行者

3)支配人

4)破産管財人、保全管理人等

会社の代表者以外にも、職務執行者や支配人も印鑑登録できます。また、代表ではない取締役や業務執行社員については上記に該当しないため、印鑑登録ができないということになります。